大学における研究は、基本的に公的研究費によってなされています。公的研究費については、国の厳しい財政状況の中にあっても、科研費の予算額が毎年着実に増加する等、特別の配慮のもと、重点的に投資が行われ、今や、本学研究費の主軸となっており、様々な研究活動を進めていくうえで、欠くことのできないものとなっております。
私たちは、研究成果で社会に貢献し国民の期待に応えていくだけではなく、研究費の適正な使用により国民の理解と信頼を得続けることも必要です。本学においても、教職員が取得した公的研究費であっても、管理責任があることから研究費使用に伴う責任体制の明確化や検収センターの設置並びに、不正防止計画推進室を設置する等、管理・運営体制を整備しております。
この度、「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)について(平成19年2月15日文部科学大臣決定)」の令和3年2月1日改正に伴い、既存の研究費使用ハンドブックの改訂版を作成致しました。
内容については、教職員の皆さんが公的研究費を使用するにあたり、会計手続きの理解不足等から生ずる不正使用や、不適切な使用をなくすという観点から、各手続きの要点について、できるだけ簡潔明瞭にまとめ、基本的な会計ルール等を正しく理解いただくことを目的に作成いたしました。なお、記載している会計ルール等は、公的研究費の使用に限られたものだけではなく、本学における教育・研究・診療その他の経費(または、本学が管理するすべての経費:機関経理経費)についても同様の取扱いとなりますのでご留意ください。
最後に、公的研究費など多くの財源は、国民の貴重な税金を原資としているとの自覚のもと、日常における物品購入等の際は、公平性・透明性を確保しつつ、適正な研究費使用に努めていただき、実りある研究成果を創出し、その成果が広く国民に享受されることを期待します。
長崎大学長 永安 武