12.不正使用を行った場合の処分

個人に対する処分

不正使用の事実があった場合、科研費等の応募資格停止の他にも処分をうけることがあります。

3.その他法令上の処分

  • 行為の悪質性が高い場合などには、本学又は配分機関から、刑事告訴や民事訴訟の措置が行われることがあります。
研究者が所属する研究機関に対する処分

1.ガイドラインに基づく体制整備等の不備により文部科学省及び配分機関から次の措置(処分)が講じられることがあります。

  • 管理条件の付与:体制整備等に不備がある場合は、改善事項及びその履行期限(1年)を示した管理条件が付されます。
  • 間接経費の削減:aの管理条件の履行が認められない場合や不正使用があった場合は間接経費が最大15%削減されることがあります。
  • 配分の停止:間接経費を上限まで削減されている間に管理条件の履行が認められない場合は、翌年度以降の競争的資金の配分が停止されることがあります。

2.法人評価の際に評価を下げることとなり、予算が減額されたり予算措置されないことがあります。

応募受給停止・返還命令

公的研究費の不正な使用が行われた場合には、その内容に応じ、配分機関より補助金等の返還命令、一定期間応募資格停止の処分措置がなされます。

応募・受給資格停止措置期間(科研費の場合)
不正使用及び不正受給に係る
応募制限の対象者
不正使用の程度 応募制限期間
不正使用を行った研究者及びそれに共謀した研究者(*1) 1.個人の利益を得るための私的流用 10年
2.上記1.以外 ① 社会への影響が大きく、行為の 悪質性も高いと判断されるもの 5年
② ①及び③以外のもの 2~4年
③ 社会への影響が小さく、行為の悪質性も低いと判断されるもの 1年
偽りその他不正な手段により競争的研究費を受給した研究者及びそれに共謀した研究者 5年
不正使用に直接関与していないが善管注意義務に違反して使用を行った研究者(*2) 善管注意義務を有する研究者の義務違反の程度に応じ、上限2年、下限1年

※以下の場合は、応募制限を科さず、厳重注意を通知する。

(*1)社会への影響が小さく、行為の悪質性も低いと判断され、かつ不正使用額が少額な場合

(*2)社会への影響が小さく、行為の悪質性も低いと判断された場合

補助金の返還命令及び応募資格停止の事例
不正使用 補助金の返還命令金額 応募資格停止
事例1 H大学 預け金
差し替え
私的流用
1億3.553万円 5年: 1人
4年:28人
3年: 5人など
事例2 K大学 預け金
私的流用
246万円 5年: 1人
4年: 1人
2年: 1人
事例3 M大学 預け金

325万円 4年: 2人
2年: 1人
懲戒処分

【研究に関して不正を行った職員に対して】
長崎大学職員懲戒規程第2条に基づき、懲戒します。


【研究に関して不正を行った職員の管理監督者に対して】
長崎大学職員懲戒規程第6条に基づき、懲戒します。


【研究に関して不正を行った職員の関係者に対して】
長崎大学職員懲戒規程第7条に基づき、懲戒します。

長崎大学職員懲戒規程(抜粋)

第2条 学長は、職員が次の各号のいずれかに該当する場合は、長崎大学人事委員会規則(平成16年規則第36号)に定める人事委員会(以下「人事委員会」という。)の審議を経た後、これを懲戒することができる。

  1. (1)~(7) 略
  2. (8) 研究活動の不正行為があったとき。
  3. (9) 研究費の不正使用があったとき。
  4. (10)略

第6条 学長は、職員の懲戒処分を行った場合において、当該職員の管理監督者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該管理監督者に対しても懲戒処分を行うものとする。

  1. (1) 懲戒処分を受ける当該職員に対し適正な指導監督を行っていなかったとき。
  2. (2) 当該職員の非違行為を知っていたにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、
    又はこれを黙認したとき。

第7条 学長は、職員の懲戒処分を行った場合において、当該職員以外の職員が次のいずれかに該当するときは、当該職員に対しても懲戒処分を行うものとする。

  1. (1) 非違行為をした職員に対し、当該非違行為に係る事項を教唆し、又は当
    該非違行為をほう助したと認められるとき。
  2. (2) 当該職員の非違行為を知っていたにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、
    又はこれを黙認したとき。